神々——人が神になる国

神話の骨格(これだけで各社の説明が読める)

神話の系図——誰が、どの社に祀られているか

国譲りで対峙 伊邪那岐・伊邪那美 天照大御神 須佐之男命 伊勢神宮 大国主大神 出雲大社 建御名方神 武甕槌大神 諏訪大社 鹿島神宮

実線=神。破線=その神を祀る社。

御神体——神が宿るとされる「しるし」

御神体としての銅鏡
御神体の鏡 伊勢神宮

神そのものは姿を見せない。本殿の奥にあるのは、鏡・山・岩などの「御神体」。三種の神器の八咫鏡は、伊勢神宮の御神体とされる。

⚡人が神になる例

→ 敗者・怨霊を神として祀るという発想が、日本の神社を理解する鍵になる。

誰が祀られているかが分かったところで、次はこの地図の色分け——格式の話。

格式——神宮・大社・一宮・二宮、そして名社

この地図は神社を5つの色で塗り分けている。4つは、このサイトの外で、歴史のそれぞれの時点で定まった格式や社号(定まった時代はそれぞれ違うので、各節で説明する)。1つはこのサイトが決めたもの。その違いから始める。

神宮 24
大社 24
一宮 92
二宮 30
名社 34

地図のマーカー・「?」の比較窓と同じ色とアイコン。

神宮(この地図に24社)

「神宮」は誰でも名乗れる社号ではない。皇室にゆかりのある神、または天皇そのものを祀る社に、勅許によって与えられる。

ひとつの目印がある。ただ「神宮」とだけ呼ばれる社は、伊勢神宮ただひとつ。正式名称に「伊勢」は付かない。他はすべて地名か天皇名を冠する——熱田神宮、鹿島神宮、明治神宮。

ただし格が一律に高いわけではない。伊勢神宮は二千年、明治神宮は1920年の創建。神宮という社号は、古さではなく皇室との関係で決まっている。

大社(この地図に24社)

最もひっかかりやすいのがここ。「大社」には別々の2つの意味がある。

ひとつは社格——明治から戦後まで、国が神社を等級で管理していた時代の官幣大社・国幣大社。もうひとつは社号、つまり名前としての「〇〇大社」。

戦前、「大社」といえば出雲大社ただ一社を指した。他の社が「大社」を名乗り始めたのは、戦後に国家管理が廃止されてから。社格と社号は別物で、名前に大社と付いていることは、かつて大社だったことを意味しない。

一宮(この地図に92社)・二宮(30社)

令制国——律令の時代に引かれた地理の区分で、全国におよそ70国あったとされる。その国ごとに最も格の高い社が一宮、次が二宮、三宮と続く。

この序列は朝廷が一覧を作ったものではない。国司が任地に着いて最初に参る社が、いつのまにか定着したもの。自然発生なので、国によっては一宮が複数あり、今も異説が残っている。

令制国の境は現代の県境と一致しない。だから地図で一宮を表示すると、分布が県単位で偏って見える。

旅行者にとっての使いどころはここ。知らない土地に着いたら、その国の一宮を探す。その土地で最も古く、最も重い社である可能性が高い。

名社

上の4つとは性質が違う。制度が決めたものではなく、このサイトが選んだもの。

神田神社、日枝神社、太宰府天満宮、八坂神社——どれも格式のどれにも当てはまらないが、その土地を語るときに外せない社。

これは編集判断であって、権威ではない。他の4色が過去にこのサイトの外で定まったものなのに対し、この色だけは現在の判断で動く。

最後に——格式は「良い神社」の順位ではない

一宮でない社が劣るわけではない。格式が示すのは国家との関係の強さで、信仰の厚さとも、境内の美しさとも、行って良かったかとも関係がない。

どれから訪ねるか迷ったときの目安。それ以上のものではない。

格式と混同されやすいのが系統。同じ名前の神社が、なぜ全国にいくつもあるのか。

系統——なぜ同じ名前の神社が、全国にいくつもあるのか

日本には約8万の神社があるが、名前の種類はずっと少ない。稲荷、八幡、天神、浅間——同じ名前が何千と繰り返される。なぜか。

答え=勧請(かんじょう)。神は分けても減らない、という考え方。総本社から分霊を迎えれば、そこに同じ神が宿る。コピーではなく、同一の神が複数の場所に同時にいる。この前提を説明しないと、以下がすべて理解できない。

系統総本社数の目安何の神か
稲荷伏見稲荷大社(京都)3万社程度とされる元は穀物の神。中世以降に商売の神へ。千本鳥居は願いが叶った礼に奉納されたもの
八幡宇佐神宮(大分)4万社程度とされる応神天皇。源氏が武神として信仰し、武家政権とともに全国へ広がった
天神太宰府天満宮(福岡)1万社程度とされる菅原道真。恨みを鎮めるために祀られた神が、学問の神になった。もう一方の総本社は北野天満宮(京都)
浅間富士山本宮浅間大社(静岡)1,300社程度とされる富士山そのもの。噴火を鎮めるために祀られた
住吉住吉大社(大阪)2,300社程度とされる航海の神
諏訪諏訪大社本宮(長野)2.5万社程度とされる建御名方神。国譲りで最後まで抵抗した神
春日春日大社(奈良)3,000社程度とされる藤原氏の氏神
熊野熊野本宮大社(和歌山)3,000社程度とされる熊野三山。中世の熊野詣
氷川武蔵一宮氷川神社(埼玉)280社程度とされる関東の一部にしかない。系統には地理的な偏りがある
祇園八坂神社(京都)2,300社程度とされる疫病を鎮める神

数の目安は通説による概数で、一次資料には未照合。「約」ではなく「〜社程度とされる」という言い方に留めている。

神使——系統のしるし

神そのものではなく、神に仕える動物。同じ系統の社には、同じ動物が置かれていることが多い。社名は、この地図に詳細ページのある社。

系統は地図のフィルターにしていない。理由を正直に書く——系統が分かるには前に予備知識が要り、初めて日本を訪れる人の選択基準にならないから。代わりに、各系統の総本社はほとんどが格式でも高いので、上の表から総本社へ飛べば、そこから先は地図で辿れる。